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「休めないなら辞めます」イマドキ20代が余暇を優先する理由

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リクルートスーツに身を包む就活生。仕事以外の充実を頭に巡らせながら、活動が続く (c)朝日新聞社

(AERA dot.)

 いよいよ6月から、新卒採用の企業面接が解禁される。時代とともに若者が会社に求めることは変化している。どうやら今の若者は、休みを重視する「余暇ファースト」主義らしい。世代間の価値観のギャップが原因で、職場でハレーションが起きるのは世の常。彼らの行動の背景や本音を知ることから始めよう。

 頼むから、出ないでくれ──。

 都内の大学に通う、就職活動真っただ中の男子大学生、横山正さん(仮名・21歳)。ここ数日、夜11時以降は、一人暮らしのアパートの部屋から“志望企業”に電話をかけるのが日課になっている。汗ばむ手でスマホを握りしめ、祈るように番号を押す。だがワンコール鳴ったところで、願いは砕け散る。

「はい、○○(会社名)でございます」

 相手の声を聞き、急いで電話を切った。

「ここも、ウソつきか……」

 手帳に書いた志望リストの中から、電話に出た企業名にチェックを入れる。優先順位が落ちたことを示す印だ。日曜日に電話して電話に出た企業にも、同様のチェックをつけた。明日は友達と飲みに行った後、深夜に志望企業の電気が消えているかどうか直接見に行くつもり。こうして、入社後に残業を強いられないか、週末は本当に休めるのか、企業の実態を確かめているのだ。

 そこまでする理由は、企業が採用募集時に公表する平均残業時間や有休消化率を「全く信用できないから」(横山さん)だという。

「現に残業ゼロをうたっているところでも、深夜や日曜日でもワンコールで電話に出る人がいて、背後で働く人がいる様子が伝わってきたこともある。先輩からも“会社が公表する数字なんて、お飾りみたいなものだ、信じるな”って言われてきました。いわば選考に進む前の“自己防衛”みたいなものです」

 横山さんのような就活生は珍しくなく、20代の若者は給料より休みを重視する“余暇ファースト”傾向があるという。今年5月、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが発表した、「2017年度新入社員意識調査アンケート結果」によると、新入社員が会社に望むこととして、今年度初めて「残業がない・休日が増える」が「給料が増える」を上回った。同社調査部研究員の土志田るり子さんは、「将来の不安が、休み重視の姿勢を後押ししている」と分析する。

「多くの企業で給料が上がりづらい状況が続く中、若者が入社後の先行きを不安視する傾向が強い。10年後の日本の状況を悲観的に見る若者も増えています」(土志田さん)

 給与については現状維持がいいところで、むしろ悪くなる可能性さえあると、多くの若者は考えている。

「だからせめて、休みくらいはしっかりほしいという考えが広がっているのでしょう」(同)

 働き方改革や過労死事件の影響もあり、企業側にも世の中の風潮をくみ取り、月平均の残業時間や有休消化率といった数字を積極開示する姿勢が暗黙のうちに求められているようだ。4月に都内で開催された就活フェアを訪れてみると、「残業ゼロ! アフター5はプライベートをしっかり楽しめます!」「有休消化率98パーセント! オンオフを区別したい貴方にぴったり!」など、各企業ブースは必死に「休めますアピール」をしていた。


https://news.goo.ne.jp/article/dot/life/dot-2017060200048.html

 就活の口コミサイト「みんなの就職活動日記」運営担当の福地茂樹さん(楽天)は、こう指摘する。

「ワーク・ライフ・バランスの重視とあわせ、上昇志向の薄れという特徴も見られる。今は“ジタハラ(時短ハラスメント)”が問題視されるほど、社会全体が“残業するな”モード。一連の流れを見てきた今年の就活生は特に、残業はしない、休みはしっかり取れて当然という意識のもと入社してきてもおかしくはありません」

 学生優位の売り手市場が続く中、人材集めに奔走する採用担当者は、どう感じているのか。就活フェアの出展企業で、採用担当歴6年という男性社員(44)は、今年の学生は特に「どれだけ休めるか」を面と向かって聞く傾向が強いと話す。

「少し前までは、就活の場で志望企業相手にそんなことを聞くなんて考えられなかったことですが、全く悪びれずに尋ねる様子を目の当たりにすると、それだけ時代が変わったということでしょうか。売り手市場の今、優秀な人材を確保するためには“これだけ休める”アピールをせざるを得ない状況。企業としては、どれだけ休めるかだけで勝負しても仕方がないのではと思うのですが……」

 余暇ファースト志向は、就活生のみならず若手社員にも見られる。

 都内のアパレルメーカーに勤める、入社2年目の桜木洋子さん(仮名・23歳)。入社1年目の9月、初めての夏休みに、ボーナスを使って友人とイタリア旅行を予約した。「せっかく行くなら」と申し込んだツアーは8日間。通常の夏休み3日間+週末の5日間では休みが足りない。それならばと、5日間の有給休暇を直属の上司に申請した。

 今でも忘れられないのが、申請を受け取ったときの上司の表情だ。あぜんとした後、上司は苦笑いをしながら「有給休暇は、1年目から取るものじゃない」と申請を突き返した。桜木さんは心の中で思わずこう叫んだ。

「え? だって入社したときには、“休みはしっかり取れ”って言ったじゃん!」

 周囲に迷惑をかけないよう、休みの前には猛スピードで仕事を進めようと張り切っていたのに。休みが取りやすいという環境も入社の大きな動機だったのに──。反発心に火が付き、収まらず、こう言い放った。

「せっかく与えられた初めての有給休暇なのに、休みたいときに休めないんなら、辞めます」

 その瞬間、上司の苦笑いは消え、表情がこわばった。「取得OK」と申請が通ったのは、その翌日のことだった。桜木さんは言う。

「それから2回、残りの有給休暇を取得して、台湾と韓国にも行きました。2回目からは、上司も半ば諦めモードで認めてくれるようになった。上司からすれば、私はたぶん、異次元の人種。私は取れる休みはしっかり取って、旅行もしたいし勉強もしたい。やりたいことがいっぱいあるんです。今年ももちろん、有給休暇は全て使う予定です」

“異次元の人種”と接する中間管理職からは、戸惑いの声が相次いでいる。あるサービス業の男性(51)は、こう嘆く。

「今の新入社員は、まだ仕事も覚えていない半人前なのに、自己主張だけは一人前。ですが、時代が時代なだけに、休みたいという声を真っ向から否定することもできない。どうやって歩み寄ればいいのか」

 若手社員が定着しないことも、人手不足に悩む企業には大きな懸念材料だ。

「主張が認められないとわかれば、すぐ辞めるという話になりかねない。いずれは、お互いが腹を割って話さないといけないと思いながら、なかなか踏み出せない」(飲食業・49歳)

 中には「時代のせいで、むしろかわいそう」と若手を哀れむ意見も聞かれる。

「昔も今も、基幹社員として一人前になるには、首までどっぷり仕事につかる期間が必要なはず。今でいう“サービス残業”も、昔は自主的な“学びの時間”で、それが会社にも認められていた。でも今は、会社にいる時間は勤務時間として申告し、終わったらとっとと帰れ、だらだら仕事をするなということになっている。全てがコスト管理の感覚で、非生産的な時間が認められづらい。若手が勉強しようと思ってもしづらい時代だなと思います」(金融・53歳)

『若手社員が育たない。』(ちくま新書)などの著者で、リクルートワークス研究所の豊田義博さんは、若者の余暇ファーストは、人生に手ごたえを感じたいという意識の表れだと分析する。

「ブラック企業問題や過労死事件の影響もあり、仕事だけでは充実感が得られないという認識が広がっています。今の若者の“余暇”は、必ずしも“遊びの時間”というわけではなく、交友や学びの時間など自己投資を含みます。震災の影響を受け、社会に貢献したいという意識の強まりから、社外活動としてNPOに参加している若手社員の姿も珍しくありません」

 若者は、決して怠けようとか、楽をしたいわけではなく、むしろ向上心は強いようなのだ。では、こうした若者の意識を、仕事の成果に結びつけるには、どうすれば良いのか。豊田さんは、「“背中を見て学べ”の姿勢では、いつまでもパフォーマンスが上がらない」と強調する。

「電話よりメールなど、上司と若手社員の間でも打ち合わせ以外の直接のコミュニケーションが極端に減っています」(豊田さん)

 かつての職場は、ムダ話も含めて会話であふれていて、それが若手社員の貴重な学習材料になっていた。だから放任主義でも、見よう見まねで仕事を覚えることができたが、今は環境が大きく変わった。

「初期にどれだけ丁寧なコミュニケーションを取れるかが鍵になります。仕事のあるべき方向性が見えづらいからこそ、若手社員に仕事を任せるときには、それが全体の中でどういう意味を持つ仕事なのか、気づかせる努力が必要。この仕事の意味は何だと思う?と質問を重ねながら説明するのも手です」(同)

 そして、もう一つ。若手社員の「休みたい」には、寛容な心で向き合い、理由を聞いて対応すること。

「頭ごなしに否定するのでは伝わらない。相手を尊重し、お互いの考えをきちんと話し合う以外にありません」(同)

 かつての働き方は、当たり前の権利がないがしろにされてきた側面もある。それを踏まえ、余暇をストレートに主張する“新人種”に、どう向き合うか。企業にも、先輩社員にも、力量が問われている。

※週刊朝日 2017年6月9日号

https://news.goo.ne.jp/article/dot/life/dot-2017060200048.html

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